学会発表スライドにAIを使う方法任せてよい作業と、自分の研究の責任
学会の演題が採択された。嬉しさも束の間、スライドの締切が迫ってくる——ここでAIに頼りたくなるのは自然なことです。実際、スライド作成はAIで大きく時短できます。ただし、学会発表のスライドには他の資料と決定的に違う点がひとつあります。載っているのは、あなた自身の研究データだということです。AIに任せてよい部分と、絶対に自分で守る部分。その線引きから始めましょう。
公開日: 2026-07-22
大前提:AIは「面」を作れるが「中身の責任」は作れない
AIはスライドの構成案を出し、文章を圧縮し、英訳し、表現を整えられます。つまりスライドの「面」を作る作業は得意です。
でも、その面に載る中身——あなたのデータ、解析結果、結論——の正しさは、AIには保証できません。時短するのは面づくり、守るのは中身。 この記事で紹介する使い方は、すべてこの原則の上にあります。
任せてよい①:構成のたたき台
発表時間と研究概要を伝えて、「7分の口演のスライド構成案を、背景→目的→方法→結果→考察→結語で作って」と頼むと、枚数配分つきのたたき台が数分でできます。
たたき台があると、白紙から考えるより判断が速くなります。ただし採用するかはあなたの判断です。自分の研究の売りが埋もれる構成なら、遠慮なく組み替えてください。
任せてよい②:文章の圧縮と言い換え
スライドの文章が長くなったとき、「この文を体言止めの箇条書きに」「20字以内に」と頼むのはAIの独壇場です。
発表用の言い換え——専門用語を聴衆に合わせて開く、逆に簡潔な学術表現に締める——も得意です。ただし、圧縮の過程で意味が変わっていないか、特に「示唆された」が「示された」になっていないかは必ず確認してください。結論の強さは研究者の責任範囲です。
任せてよい③:英語スライド・英語発表の下書き
国際学会や英語スライドが必要な場合、下書きの英訳はAIで十分実用になります。
ここでも確認は必要です。専門用語の定訳(自分の分野でいつも使われる英語)とズレていないか、数値の単位が正しく訳されているか。訳文の自然さより、術語と数値の正確さを優先して見るのがコツです。
任せてはいけない:データ・図表・結論の数値
結果スライドの数値・グラフ・表は、必ず自分の解析結果から直接持ってきてください。AIに「この結果をグラフにして」と頼んで生成された図をそのまま使うのは危険です。目盛りや値が微妙に変わる事故が起きえます。
図表は自分の解析ソフトから出力し、スライドに貼る前に元データと突き合わせる。 学会発表の数字の誤りは、訂正の機会がほとんどありません。ここだけは時短の対象外です。
発表前に、学会のAI利用規定を確認する
見落としがちですが重要な確認があります。学会によっては、発表資料への生成AI利用について申告や制限の規定を設け始めています。
演題登録時の規定・発表要項を確認し、迷ったら事務局や指導者に聞いてください。「規定を確認した上で、堂々と使う」が正しい姿勢です。こっそり使って後から困るより、ずっと健全です。
スライドの土台になる「文献の理解」はライブラリで
背景スライドで引用する先行研究の数値・結論は、AI要約の記憶ではなく原文で確認します。ここは論文を扱う全ての場面と同じ原則です。
Paperfyなら、引用候補の論文のPDF・AI要約・図表が1ページにまとまり、発表用に直した要約がそのまま背景スライドの下書きになります。ラジオ台本を発表の流れで編集すれば、移動中に耳でリハーサルもできます。スライドの面はAIで速く、根拠はライブラリで確かに。
学会スライドAI活用チェックリスト
- AIに任せたのは構成案・圧縮・英訳の下書きまで
- 結果の数値・図表は自分の解析から直接持ってきた
- 結論の言い回しの強さを自分で確認した
- 学会のAI利用規定を確認した
スライドの根拠を、いつでも確認できる形に
Paperfyなら、引用する文献のPDF・AI要約・図表が1ページに揃い、発表用メモから原文まで一続きです。ラジオ台本で発表前の耳リハーサルもできます。
学会準備
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