フルテキストレビューの方法。抄録に書かれていないことを確かめに行く
抄録スクリーニングを抜けた論文のPDFが、手元に80本。ここから1本ずつ「じっくり精読」だと思うと、気が遠くなりますよね。 安心してほしいのですが、フルテキストレビューは精読ではありません。やることは、抄録では確認できなかった適格性の項目を、本文まで確かめに行く作業です。確認項目が決まっていれば、1本あたりの時間は思ったより短くできます。
公開日: 2026-07-22
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フルテキストレビューの方法。抄録に「書かれていないこと」を確かめに行く
この工程の問いはひとつ:「基準を満たすか」
フルテキストレビューの問いは、「この研究は面白いか」でも「質が高いか」でもありません。「事前に決めた選択基準を、本文レベルで満たすか」です。
質の評価(Risk of bias)は次の工程です。混ぜると1本あたりの時間が倍増するので、この工程では適格性だけに集中してください。
抄録に「書かれていないこと」リスト
抄録で判定できなかった論文が残っているのだから、確認すべきは抄録に書かれていない情報です。代表的なのはこのあたりです。
対象の詳細な組み入れ・除外基準。介入・曝露の具体的な中身と期間。比較群の実態。アウトカムの定義と測定時点。フォローアップ期間。どれもMethodsに書かれている情報で、読む場所は最初から決まっています。
読む順番:Methods→図表→必要ならそれ以外
実務の順番は、Methodsの対象・介入・アウトカムの記載→Table 1(対象の実像)→結果の主要な図表、が基本ルートです。
IntroductionとDiscussionは、適格性確認では原則スキップで構いません。全文を前から読まないことに、罪悪感を持たなくて大丈夫です。 この工程の目的に対して、正しい読み方です。
補足資料と重複データという伏兵
見落としやすいポイントを2つ。まず、アウトカム定義やプロトコルの詳細が補足資料(Supplement)にだけ書かれている論文があります。本文で見つからなければ、補足資料も確認してください。
もうひとつは同一研究の重複報告です。同じコホートから複数の論文が出ている場合、両方を採択すると同じ患者を二重に数えることになります。著者・施設・登録番号・対象期間が重なっていたら疑ってください。
判定は理由とセットで記録する
この工程の除外は、PRISMAフローチャートに理由別で載ります。除外と決めた瞬間に、基準に対応した理由を一言残してください。
採択側にも記録は要ります。「どこで基準充足を確認したか(Methods p.4、Table 1)」をメモしておくと、後のデータ抽出とRisk of bias評価で同じ場所を探し直さずに済みます。
AI要約は「地図」、判定は本文で
1本ごとの確認前に、AI要約で研究の全体像をつかんでおくと、Methodsのどこを見るべきか当たりが付きやすくなります。
ただし、適格性の判定自体をAI要約でしないこと。抄録に書かれていない情報を確かめに来た工程で、要約(=さらに圧縮された情報)を根拠にしたら本末転倒です。判定の根拠は、常に本文と図表です。
Paperfyでの回し方
フルテキスト対象の論文をPaperfyに入れると、1論文1ページでAI要約・図表・原文PDFが並びます。要約で地図→Methodsと図表で確認→判定と理由を要約に書き足し、という一連の流れが1画面で回ります。
数ヶ月後、執筆やRisk of bias評価で戻ってきたときも、確認の痕跡ごと論文が残っています。
この記事のチェックポイント
- 適格性の確認だけに集中し、質の評価を混ぜなかった
- Methods→Table 1→主要図表の順で確認した
- 補足資料と重複報告をチェックした
- 採否の判定を、確認箇所とセットで記録した
80本の確認を、迷子にせず回す
Paperfyなら、確認ルートの要約・図表・原文が1ページに揃い、判定メモごと論文が残ります。
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